健診・ドック検査結果ガイド
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心電図・心拍数11右脚ブロック心臓を収縮させるための刺激が伝わる経路である「右脚」への電気刺激が途絶えている状態です。原因がはっきりしないことが多くありますが、心機能に影響はなく、病的ではないことがほとんどです。房室ブロック心臓を収縮させるための刺激が「心房」から「心室」へ伝わる際に遅れたり、途絶えたりしている状態です。Ⅰ度房室ブロック(刺激が遅れる)、Ⅱ度房室ブロック(刺激が時々途絶える)、Ⅲ度房室ブロック(刺激が完全に途絶える)があり、Ⅰ度は経過観察でよいことが多く、Ⅱ度、Ⅲ度は治療が必要になることがあります。左室肥大心臓の筋肉が厚くなったり、左心室の容積が大きくなったりすると、心電図に変化が現れます。高血圧や弁膜症などが原因で引き起こされます。軸偏位ほとんど、病的なものではありません。心臓を収縮させるための刺激が伝わる方向を「電気軸」といいますが、この電気軸が通常よりも右や左に傾いている状態を指します。高電位、低電位心電図波形にあらわれる「QRS派」の振幅が大きいことを高電位、小さいことを低電位といいます。いずれもほとんど病的なものではありません。平低T波、陰性T波、ST-T異常 ・平低T波 : T波が通常よりも平坦になること ・陰性T波 : T波が基線より下向き(陰性)になること ・ST-T異常 : ST部分が基線より上昇したり、下降したりすること虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、高血圧症、弁膜症などによって、心筋に障害が起こり、負荷がかかっている可能性がありますが、健康な人でも見られることがあります。自覚症状やほかの検査結果などを踏まえ、総合的に判断することが必要です。異所性P波心臓の拍動するリズムは順調ですが、P波の向きが通常と異なっている状態です。動悸などの自覚症状がなければ、とくに心配はいりません。

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