健診・ドック検査結果ガイド
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腫瘍マーカー40体の中にがんが発生した場合、健康なときには見られない特殊なタンパク質やホルモンなどが、血液中や尿中に増えることがあります。腫瘍マーカーの検査はスクリーニング(ふるい分け)として行われますが、陽性(異常値)だからといって必ずがんがあるわけではなく、疑陽性疾患や体質により高値に出る方もいます。CEAPSAAFPCA19-9SCCNSECA125HE4CA15-3検査項目5.0 ng/mL以下4.0 ng/mL以下10.0 ng/mL以下37.0 U/mL以下1.5 ng/mL以下12.0ng/mL以下35.0 U/mL以下閉経前:70pmol/L以下閉経後:140pmol/L以下31.3 U/mL以下基準値大腸がんなどの消化器のがんをはじめ、肺がん、乳がんなどで高値になります。喫煙や炎症性疾患、肝硬変、糖尿病で高値になることもあります。前立腺に特異性の高い腫瘍マーカーで、前立腺がんの発見や経過観察に重要な役割を果たしています。前立腺炎や前立腺肥大で値が上昇することもあります。肝がん、卵巣や精巣の胚細胞がんで高値になります。まれにAFPが高くなる胃がんもあります。慢性肝炎や肝硬変、妊娠などで値が上昇することもあります。膵臓がんをはじめ、胆道がん、胃がん、大腸がんなど主に消化器のがんで高値になります。主に肺がんや食道がん、子宮頸部の扁平上皮がんで高値になります。皮膚の病気により値が上昇することもあります。神経組織や神経内分泌細胞に特異的に存在する物質で、肺の小細胞がんや神経芽細胞腫、神経内分泌腫瘍などで高値になります。卵巣がんで高値になりやすく、その他子宮体がんや膵臓がん、胃がん、大腸がんなどで高値になることがあります。子宮内膜症、月経、妊娠、肝硬変、膵炎などでも値が上昇することがあります。卵巣がんで高値になりやすく、CA125に比べ、子宮内膜症などの婦人科良性疾患で上昇することが少ない腫瘍マーカーです。CA125とHE4の値に閉経情報を組み合わせた卵巣がんの推定指標(ROMA値)を使用することで卵巣がんに対する精度が高まるとされています。乳がんに特異性が比較的強く、主に乳がんの治療の効果判定や経過観察に用いられます。腫瘍マーカー

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