健診・ドック検査結果ガイド
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MRI検査46虚血性変化大脳白質性病変・慢性虚血性変化・加齢性変化などいろいろな記載をされることがあります。全く同じではありませんが、概ね表現しようとしていることは同じになります。動脈硬化などで血液の流れが悪くなり、慢性的に血液が流れず脳に変化した部分がある状態です。虚血性変化はごく軽度の加齢変化やいわゆる“かくれ脳梗塞(無症候性脳梗塞)”のことです。若いうちからこの虚血が多いと、脳梗塞になりやすいと考えられています。症状を伴った脳梗塞が起きてしまう前に、虚血性変化の原因となる危険因子(高血圧、喫煙、糖尿病、脂質異常症、心疾患の既往)を見直し、生活習慣の改善や治療に取り組むことが大切です。くも膜嚢胞脳は内側から軟膜、くも膜、硬膜に覆われています。膜が風船のように膨らみ、脳を圧排するような病態をくも膜嚢胞といい、生まれつきくも膜嚢胞をもっている先天性のものと、外傷や炎症によってできる二次性のものがあります。基本的にほとんどの場合、症状はなく問題となりません。まれに、できた場所や、大きさによって症状が出ることがあります。血管腫脳内の血管に発症する脳疾患です。「腫」といっても本格的な腫瘍ではなく、古い血腫と異常に膨らんだ血管の集まり、つまり血管の形が変化して腫瘍のようになっている良性の病変で、「脳の中に血管の成分が紛れ込んでいる状態」とされています。一般の腫瘍のように細胞が分裂して大きくなったり、悪性化することはありませんので症状がなければ、治療の必要はありません。髄膜腫髄膜腫は良性脳腫瘍の中で最も多い腫瘍です。ゆっくり大きくなるので無症状のことが多く、脳ドックなどで偶然発見されることがあります。発育もゆっくりであることが多いため、大きい腫瘍でないかぎり発見してすぐに手術が必要となることは稀です。初回は造影MRI検査で診断を確定し、その後は経過観察で腫瘍の成長速度を観察し、明らかな増大や症状を来す場合に治療の対象になります。脳MRI検査でよく見られる所見

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