認知症と軽度認知障害(MCI)の違いについて 健診会 東京メディカルクリニック

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認知症コラム Vol.2 認知症と軽度認知障害(MCI)の違いについて

軽度認知障害(MCI)って何?

早期発見・早期対策が重要だといわれている「認知症」。
認知症には前段階といわれるMCI期=軽度認知障害の時期があります。

では、軽度認知障害(MCI)っていったい何でしょうか。
軽度認知障害は言葉の通り、軽度な認知障害ですので、認知症ではございません。
健常者と認知症の中間にあたるグレーゾーンの段階を、軽度認知障害(以下、MCI)といいます。

下記は認知症の中でも最も割合の多い「アルツハイマー型認知症」の発症までの経緯です。
アルツハイマー型認知症は健常から急に発症する可能性は極めて低く、その前段階として「MCI期」があります。

アルツハイマー症発症までの経緯

MCIは認知機能である「記憶」「決定」「理由づけ」「実行」のうちの一部に問題が生じるものの、症状の程度が軽く、認知症までは進行していない状態です。そのため家族など周囲からの支えがあれば、日常生活にさほど支障はありません。 一度発症すると健常に戻ることは難しい認知症。そして自身だけではなく、家族にも迷惑をかけてしまうのではないか、という思いからなりたくない病気に「認知症」を挙げる方も増えてまいりました。
そのような中、注目されている「MCI」という言葉。

どうしてMCIという言葉が注目されているの?

認知症の前段階であるMCI。
MCIのまま放置をしてしまうと認知機能がますます低下し、認知症へと進行する恐れがありますが、適切な治療と対策を行えば、認知症の発症を遅らせること、健常に戻ることができるといわれています。

MCIのまま放置すると認知症への移行率は1年で10%、5年で50%以上

MCIの時期に何もせずに過ごしていると、1年で10%、4年で40%が認知症に移行すると報告されています。しかしMCIの時期では、「30%は健常に戻る」可能性があることも分っています。適切な予防に取り組めば、より高い確率で健常に回復するという報告もあります。また、早期であればあるほど健常に回復しやすいとも考えられています。

認知症の予防は、認知症を発症する前のMCIの時期、もしくはその前の無症状の時期から、予防に取り組み始めることが最も重要です。「認知症は生活習慣病の成れの果て」といわれるほど、高血圧や糖尿病などの生活習慣病と関連が深いと言われています。

早めに気付いて認知症予防に取り組みましょう。

MCIで気づくには?

MCIの主な症状は記憶障害(もの忘れ)が多いですが、そのほかの症状、例えば計画を立てて順序よく物事を行うことができない、食事の準備ができない、電化製品の使い方がわからないなどの実行機能障害などがみられることもあります。
下記はMCIの主な症状です。

  • 以前と比べて、最近の出来事をすっぽり忘れることが増えた
  • 会話の中でアレ・コレを多用するようになった
  • 料理中に鍋を焦がすようになった
  • 物やゴミが片付けられず部屋が散らかってきた
  • 夏のクチナシや秋のキンモクセイの香りが分からなくなった
  • 洋服の選び方がちぐはぐ(夏なのにコートを着る、一日中パジャマで過ごす等)
  • 身だしなみを気にしなくなった、化粧をしなくなった
  • 人との交流を避け、家に閉じこもることが多くなってきた
  • 気分のムラが大きくなり、感情的になってきた
  • 医師や薬剤師から処方された薬の投薬の仕方を覚えていない
MCIの主な症状

繰り返しになりますが、MCIで気づければ、予防などの対策で健常に戻ることは十分ございます。上記のMCIの主な症状にいくつか当てはまる場合は認知症予防に向けて早期に対策をしていくことをお勧めいたします。
またあなた、もしくはあなたの家族のちょっとおかしいなと思われる行動をチェックして記録に残すようにすることもお勧めです。そのうえで、明らかにおかしな状態が続いていると感じたら、その記録を持って医師の診察を受けることをおすすめします。
正確な検査や診断を受けるには「もの忘れ外来」や、認知症の専門医のいる病院・クリニックの受診が一般的です。

また当クリニックではMCIのリスクがわかる血液検査を実施しています。

「MCI」のリスクがわかる MCIスクリーニング検査プラスって?

一本の採血でMCIのリスクを知ることができる「MCIスクリーニング検査プラス」。
認知症の中でもっとも割合の多いアルツハイマー型認知症は「脳への老廃物(アミロイドβ)の蓄積」が原因とされています。
この老廃物は加齢が原因で溜まるものですが、実は中年期からの生活習慣も関係するといわれています。例えば高血圧や糖尿病に近い方、脂質異常の方は脳への老廃物が溜まりやすい上に血管障害が起きやすく、故に認知症の発症リスクも高いといわれています。
当検査では脳への老廃物のクリアランス機能を持ったたんぱく質や、蓄積要因の血管の老化に関与するたんぱく質を測定し、MCIのリスクを評価しています。

検査結果が良かった方は引き続きその生活習慣を続け、将来MCI・認知症にならないように、また検査結果が良くなかった方はご自身の生活習慣を改善することに役立てていただけます。

★MCIスクリーニング検査プラスについて気になる方、もっと詳細について知りたい方はこちら

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